わたあめちゃんのお墓

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あの子とわたし、ふたり遠くへ

Twitterの匿名質問ツールに、「どこか一緒に行きたい」というメッセージが来た。もちろんわたしには誰がこれを送ったのか知れるはずがないのだが、なぜだか誰なのか分かった気がした。完全に無根拠な直感でしかないのに、わたしはそれが正しいと確信していた。

わたしはこの子と共に、ふたりきりで、誰もわたしたちを知らず、誰もわたしたちのことを邪魔しないところへ行きたいと思った。それは廃墟でもよかったし、ずっと遠くまで広がる草原でもよかった。富士の樹海でも、天国でも。あの子と一緒ならどこでもよかった。けれど、あの子はわたしを置いて行ってしまった。わたしの手の届く範囲にあの子はいなくなってしまった。わたしは別にそれを特段さみしいことだとは思わなかった。当然のことだというように受け入れることができた。

あれから何年も何十年も経ったあと、あの子は不思議な力でわたしにメッセージをくれたのだ。わたしはまだわたしのことを覚えていてもらえたことがひどく嬉しかった。電子機器さえ触れないあの子がどうやってこのメッセージをくれたのかはわからない。けれど、まだわたしのことを忘れないでいてくれて、あともうちょっとだけ待っていてくれるなら、絶対にあの子のもとへ行って今度こそふたりきりでどこか遠くへ行こうと約束した。